2023/9/4 中島多加仁著『太陽星のトリセツ: シリーズ紫微斗数14主星 その3』が出版されました/最新情報

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2023/9/4 中島多加仁著『太陽星のトリセツ: シリーズ紫微斗数14主星 その3』が出版されました

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シリーズの出版企画に際して

本書は『シリーズ紫微斗数14主星』の第3弾、太陽星の取扱説明書になります。紫微斗数に使われる星のなかで、太陽と月だけは地球と近く、同じ太陽系内に存在しています。他の12主星は、太陽系外の星たちなのです。
太陽は朝と昼のみに存在し、夜になると月が出ます。そして夜空には無数の星が輝きます。星が「輝く」のに対し、太陽は「照らす」わけです。さらにいうと月はみずから発光せず、太陽の光を受けて明るく見えるだけですから、14主星の中で唯一『恒星』ではないのです。

古代から人類は、太陽と月が地球の周りを規則正しく周っていると信じていました。しかし1608年に望遠鏡が発明され、地球も他の星たちと同様に球体だと判明し、太陽を中心に水星・金星の外で巡っていることが解りました。さらに月は、地球の衛星だということも知り得たのです。
古代人たちは太陽と月、さらに北極星や北斗七星などを信仰の対象としました。そのなかで、もっとも多いのが太陽の神格化です。天上界の支配者的存在として太陽を崇拝するわけです。
神格は男性によって象徴される場合が多く、その分布は古代エジプトにはじまりヨーロッパ、南アメリカ、そしてアジア各地へと散発的にみられます。
古くは英国のストーン・サークルが太陽崇拝に関係あると考えられ、古代エジプトの王ファラオは太陽神ラーの子と見なされ、メキシコのアステカ文明や南アメリカのインカ帝国の王も太陽の子として崇拝されています。さらにギリシアのヘリオス、ローマのソル、バビロニアのマルドゥクも太陽神の崇拝であり、日本だけが特殊で天照大神が女性として描かれています。
また太陽に関する神話・伝説・儀礼は広く世界各地に分布し、太陽崇拝とともに農耕の発達と深い関係がありました。
太陽を神として崇めない文化は、アラブ・イスラーム地方です。
アラブの遊牧民の伝承に、「神は人間に試練を与えるために太陽を創造した」とあります。しかしながら、これは少し誤解もあるようです。
ちなみにイスラームの天国に太陽と月はないのだそうです。これに関してはクルアーンと預言者ムハンマドの言行録『ハディース』から知ることができます。
イスラームの天国では少年がお酌をして、酔わない酒を注いでくれます。また永遠の処女が相手をしてくれたりするのですが、楽園の穏やかな気候についても語られています。
それによると、天国には清らかな河が流れており、休める木陰があって気候も穏やか。照りつける太陽の酷暑もなければ、震えるような冬の寒さもありません。影はできるのですが太陽と月はなく、代わりにアッラーが放つ光の強弱によって朝と夕の区別がつけられています。
太陽と月はヤウム・アル=キヤーマ(復活の日)に片付けられてしまい、その光を失うのだとか。両者は現世を照らす光なので、天国にはないという思想です。

さて、話を変えましょう。西洋占星術での太陽は、実際の太陽の動きを示しています。朝生まれならアセンダント(Ascendant)と呼ばれる地平線あたりに、昼生まれならミッドヘブン(Midheaven)という上昇地点、夕刻生まれはディセンダント(Descendant)という日没の地点、そして深夜生まれはイムム・コエリ(Imum Coeli)という天底の場所に、太陽が存在します。

しかし紫微斗数における太陽は、いわゆる「おひさま」=日輪(The Sun)そのものではありません。命盤の12宮を、規則的に順番に推移する太陽星ですが、それは西洋のホロスコープのような時間や方位を意味するものではなく、太陰星と同じで架空の存在なのです。これは北極星の象徴である紫微をはじめ、北斗七星や南斗六星たちも一緒です。北極星であるはずの紫微も、北だけではなく12方位すべてに滞在します。そういう意味で紫微斗数という占星術は、すべてが架空の星であり、なんらかの科学的根拠があるわけではないのです。
そして紫微斗数の太陽星は、生まれた時間や季節、地域によってその威力が変化します。朝・夏・南国にうまれた太陽星と、夜・冬・北国にうまれた太陽星では、性格や能力に差が生じるのです。

本書では、そんなユニークな太陽星にのみ焦点を当てて解説してみました。このシリーズ本をきっかけに、紫微斗数の面白さを知ってもらうと同時に、より多くの優秀な占い師が生まれることを切に願っています。